訪問看護ステーションよつば

お問い合わせ

Instagram

よつばブログ

「食べられなくなったら終わりだ」
臨床の場でたびたび耳にする患者さんの言葉です。「食べる」ことは「生きること」とも言えます。なので、逆に食べられない状態は人を心細くさせ、時には希望までも失わせてしまいます。私たちにとって食べることは、栄養素の摂取だけでなく、味わうことの満足感や楽しみでもあります。なので、その人のQOL(生活の質)と深く結びついていることなのです。
現在の利用者さんの中でも「食べること」への支援を行なっている方が数名います。赤ちゃんから大人まで。機能的に食べられない要素があるけれど全く食べられないわけでは無い子どもや、食べられる機能を持っているけど食べない子、筋肉や神経の働きが障害されて食べられない方など様々です。様々な理由で食べられないので、目標も人それぞれ。私たち看護師は、利用者さんが多様な意味を持つ「食べること」ができるように、あの手この手で支援しています。そんな中でも問題が起こることは多々あります。今日は今まで何とか食べられていたパンを食べていてむせてしまった方がみえました。ではどうするのか。一番安全なのは「絶食」でしょうか。パンだけで無く、その他の食べ物でもむせてしまう可能性はあります。「パンはやめておく」なのか。むせにくいように「牛乳やスープにパンを浸して食べる」なのか。「パンを小さく切って食べる」なのか・・・。人それぞれ食習慣というものがあり、私はパンをスープなどに浸して食べることは好きではありません。だけど、むせないためにその方法をとりなさいと言われたら受け入れられるでしょうか。わかりません。食べ物そのものの工夫のみならず、スプーンの柄の長さやスプーンの大きさを変えることもむせない食べ方の工夫になります。食べるときの姿勢もそうです。色々な方法、選択肢があるので私たち看護師はそれらを多く知っておくことが必要です。すぐさま「こうすべき」と伝えるのではなく、その時のタイミング、利用者さんとの心理的な距離感を掴みながら助言を入れていきます。そこには信頼関係も必要。信頼のない看護師の言葉なんて耳に入りません。普段の関わりの中で信頼関係を培っていないと何の支援もできないのです。「支援」とは、決して看護師が前面に出てその人の手を引いていくのではなく、後ろに立って見守りながら、転びそうだったらそっと支えてあげるような感じです。抽象的ですが、そんなイメージをもって関わり、支援をしています。今日のパンでむせてしまった方、一日あれこれ考えていましたが、なんとなく「こんな感じで関わってみよう」みたいなイメージができてきました。その人が持っている力を使っていけるような支援、それを考えていくことは看護師の仕事の一つです。
うちのイグアナの「あわもり君」。体長1m30㎝。最近調子が悪くて全く食べません。夜のヒーターが数日切れていたようで、それに気がつかずにいました。イグアナは25度以上の環境でないと弱ってしまいます。しっかり暖めて動くようにはなり、排便もあるので経過観察中です。どうしたら食べるかな・・・。あまりストレスを与えないように距離をとって見守っています。とても男前な顔をしているですが、爬虫類が苦手な方もみえるので写真はやめておきました。