訪問看護ステーションよつば

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昨年末から今月にかけて、新規のご利用者様が数人みえました。その中で、あるご家族の方が「病院で訪問看護を入れた方が良いって言われたけど、そもそも訪問看護がなんなのか分からなかった」と言われました。訪問看護って、看護師の仕事を自宅でさせてもらう訳ですが、病院で行う看護と自宅でのそれには大きな違いがあります。病院は基本的に治療や検査をする場所です。自宅は生活をする場所です。そこにいる目的が違うので看護の役割も変わります。病院では治療や検査のために食事や行動の制限があり、「患者さん中心」と言いながらも病院の時間軸中心です。検査の時間や他の患者さんとの兼ね合いもあり、様々な制限は仕方のないことです。しかし、自宅は生活をする場でありその中で必要な医療行為も行い、また生活援助もしていきます。本人のみならず、一緒に生活している家族もひっくるめてみていきます。生活の中に、必要な医療行為やケアをどうやって組み込んでいくか、結構悩みます。私たちの思うように、都合の良いようにという訳にはいきません。そこは利用者さんたちの「生活の場」であることが第一前提です。
訪問看護は利用者さんと「契約」を結んで開始となります。契約書に印鑑を押してもらったら、私たちが受け入れられたという訳でもありません。生活の場に他人が定期的に入ってくるわけですから、最初からウエルカムな方は滅多にみえません。大抵は警戒されます。だから、訪問看護ってこんなことしますってことをまずはお話していきます。利用者さんそれぞれで疾患も病状も違うので、個々の状況に応じた看護の内容をお話していきます。そんなことが今日もあって、お話の中で爪切りに困っているとのことだったので早速爪切りをさせて頂きました。少しずつ受け入れていってもらう、そして看護師ができるケアを増やしていく。その結果、家族の負担を緩和する、専門的な目で本人の体調を継続的に把握する、必要に応じて病院に連携をとる、困ったときや心配な時はいつでも相談できる立場で見守る。それが「生活の場でいききることを支援する」ことだと考えています。
明日も新規の方の訪問があります。「生活の場」の状況は人それぞれ。一人一人に応じた看護の仕事ができることは訪問看護の醍醐味でもあります。おおよそ一時間をその人のためだけに使える。なかなかそんな仕事って無いと思います。