訪問看護ステーションよつば

お問い合わせ

Instagram

よつばブログ


「負くっか」。先日なくなられた元プロ野球選手の大島康徳さんの言葉です。私は野球にはほとんど興味がないのでこの方のことも存じ上げません・・・。すみません。今日の中日新聞にこの方がどんな方なのか掲載されていました。「負くっか」とは、大島さんの故郷・大分の言葉で「負けてたまるか」の意味で大島さんの人生のキーワードだとか。大腸癌原発の肝臓転移などあり闘病されていたそうです。大島さんは「健康は善で病気は悪だと決めつける人がいるが、それは違う。闘病もそう。病気を克服した人はヒーローで負けた人はかわいそうな人ですか?僕はそうは思わない。」と毅然とした態度で命と向き合い続け、「いつか自分にも寿命が来ます。その時に僕はがんに負けたとか、力尽きたとか絶対に思わない。精一杯やった、自分らしく生きたと感じると思うんです。」とおっしゃっていたそうです。
今、がんの末期の方の訪問看護をしています。一人で自由気ままにやってきたと言っていました。一人暮らしだと、周囲は心配します。ご友人も多く、みなさんそわそわしているのが分かります。いつも訪問すると、DVDをみたりテレビを観たりして、私に「この俳優どう思う?」とか「こういうのってかっこいいの?」と聞いていました。訪問してテレビがついていなかった事はありません。今はベッドで眠っている時間が多く、テレビがついていても観てないことがほとんどです。でも、24時間、テレビも電気もついています。そんな生活をされてきた方なのです。だからいつもと同じ空間で同じように過ごせたらいいなと思います。低栄養となり動けないため床ずれもできています。床ずれができると、なんとなく看護師の責任みたいなものを感じてしまいます。これ以上大きくしてはいけない、治さなきゃと思ってしまうのです。残された時間を穏やかに過ごす人に、床ずれの治療や処置が本当に必要なのか、何のための処置なのかと思うのです。私たちは苦しさや痛みの緩和に最大限力を尽くします。床ずれを治すよりも、苦痛緩和です。苦痛を除去していつもと同じように過ごす。そうさせてあげたいと思います。今はもう夜ですか、今もテレビの音が消えない部屋で眠っているのだろうと思います。また明日の朝、いつもと同じように「おはようございます」と訪問看護師が入ります。
今日はそろそろブログの更新をと思いながらも、色々と悩める事や困ったこともあり頭の中が整理できないのでブログはお休みしようかと思っていました。でも、大島さんの「負くっか」や訪問先でのプレゼント(写真)に励まされ「負けるもんか」と普段通りにしようと思いブログを書きました。写真は訪問看護ステーション「よつば」なので、訪問先の小学生が折り紙で大きな四つ葉を作ってくれました。四つ葉を広げると中から「ありがとう」のメッセージ。とっても嬉しかったです。明日も、普段通り仕事を頑張ります!!