訪問看護ステーションよつば

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「やめておこうかな、頑張ろうかな」。毎晩自問自答しています。何をかというと、夜のトレーニングです。3月のフルマラソンにむけてジョギングしたり坂道ダッシュしたり、ハイペースで走ったり。体力・精神力を鍛えています。今日も走ってきました。週の半分はトレーングするようにしています。先日の日曜日は10キロレースに出て今のスタミナを確認しました。ヘトヘトでした。もう少し痩せて身軽になりたいですが、歳をとると痩せるのが難しいです。若い頃はもっと・・・だったのに。
少し前の中日新聞に39歳で亡くなられた作業療法師の方の記事が掲載されていました。その方は在職中に重症筋無力症を患い、人工呼吸器をつけて在宅療養されていた方です。印象的だったのが「利用者の障害が重い分、職員や家族は本人の思いを軽視しがちになる。」という言葉です。呼吸器をつけているので「話す」事は出来ませんが「伝える」事はいろいろな手段があるのでできます。ですが「どうしようか」となった時に、キーパーソンである家族とスタッフで相談して決められてしまうというのです。これは、私が現在の仕事をしている中でも感じることです。
何ヶ月も前ですが、毎日ヘルパーさんや訪問看護が支援に入っているお宅で、一つの事業所が撤退することになりました。そのことについてある日、事業所から本人のいないところでご家族に伝えられました。ご本人は意思疎通がとれるし理解力もあるのになぜ本人に相談したりお伝えしたりしないのか違和感がありました。また、些細なことかもしれませんが、つい数日前に訪問したお宅では、来週に予定されているインフルエンザの予防接種の日時を本人がご存じないという事がありました。スタッフ間で連絡事項を記載するノートがあるのですが、そこには記載されているのに本人は知らない。恐らく往診の時に先生が同席する家族にも話されたのだと思いますが、呼吸器や吸引器を常時作動させているので、ご本人の耳の周りには私たちが感じないレベルの音がしており聞こえにくさもあると思います。本人のいるところで話したから「伝えた」ということではなく、本人に向かって話して反応が返ってこないなら「伝えた」という事にはならないと思います。「本人に向かって伝えて、その反応を確認する」という事が普段のコミュニケーションで大切だと思います。
介護度の高い方をみているご家族やスタッフは大変な事も多く、介護に関わる事柄だとそれを担う人だけで考えて決めてしまう事があると思います。でもやはり、介護を受ける本人の意思を確認せずに決めてしまう事は、後々に問題が発生する事にもなりかねないし、誰のための介護なのか大切な事が抜け落ちてしまいます。
本人がどうしたいと思っているのか、それに対応するには何が出来るのか、またできない事は何なのか、多職種で知恵を絞って考えて行動していくことで、重度の方でも「自分の人生を自分できめる」ということが当たり前になるのではないでしょうか。