訪問看護ステーションよつば

お問い合わせ

Instagram

よつばブログ

看護学校でも大学の看護学科でも、必ずフローレンスナイチンゲールのことが授業にでてきます。ナイチンゲールは、クリミア戦争において敵・味方の分け隔てない負傷者たちへの献身や統計に基づく医療衛生改革を行ったことで著名な方です。
私が学んだのはナイチンゲールの著書『看護覚え書き』を読んでレポートを書くというレベルでした。当時の私は、昔と今では衛生面、看護師の質、環境が全く違うのに昔の事から何が学べるのか分からないという思いでした。レポートのために読みましたが、とてもつまらなかったです。そして特につまらないと思った内容は、換気について書かれていた部分です。病室の窓を開けましょうとか、一日に何回か風を取り入れましょうとか書いてありました。なぜそれが看護?と思いました。
病院勤務を始めて何年か経ったときに、窓を開けるのが好きな上司がいました。仕事中に風を感じるととても気持ちよかったので、私も窓を開けるのが好きになりました。なので患者さんをベッドから車椅子にのせた時など窓際につれて行って窓を開けて過ごしてもらったりしました。寒さで長く窓を開けられなくても、窓際で日の暖かさを感じてもらうことも。高齢者は入院によって時間感覚が鈍くなりますが、風を感じたり日の暖かさを感じたりすると「昼間」を感じられるかなと思ってやっていました。病院の閉塞的な空気感や機械音、夜でも電気の光を感じる環境は、昼夜逆転を招きやすくせん妄の原因になります。初めは、気持ちいいからと思ってやっていたことも、看護として考えて行動するようになっていました。そんなころに、あのつまらなかった『看護覚え書き』の「換気」を思い出して、ナイチンゲールってすごいんだ!と感動しました。今でも、訪問中に看護師とヘルパーさんで車椅子移乗される方がみえます。その時も5分くらいは窓を開けます(利用者さんに了解を得てからです)。外を見るだけでなく、風を感じると季節を感じるし新しい空気を身体に取り込めるし気持ちいいし。ほんの少しの時間ですが。そして、今読んでいるのが上の写真の本です。ナイチンゲールが書いたわけではないですが、ナイチンゲールの精神から経営を考えています。最初の一文を紹介します。「これからの経営は、顧客を元気にすることです。また患者の回復過程を支援して元気にすることです。そのためには顧客・患者と接する第一線の現場スタッフが、いつも瞳を輝かせて「さわやか」に「はつらつ」として元気でいることが必須です。」と書かれています。スタッフが元気に働けるためにって言うと、十分なお休み!ってなります。お休みも絶対大事。でも、お休みだけではないと思います。スタッフが意思決定できスタッフ自身が意欲的に働けるかどうかが大切だと思います。利用者さんと接点を持つことが多いスタッフに権限と責任を与えて秘めている能力を発揮できるようにしていくことが、私の仕事の一つだと思っています。先日、スタッフ(とその娘さん)が手作りノートを作ってくれました。内服や浣腸など自己管理ができるように支援している若い利用者さんに対して、彼女が大好きな韓国のアイドルグループの写真を使って素敵なノートができました。モチベーションアップです。彼女が頑張っていることが見える化されています。別の方で、嚥下障害が進んでいる方がみえます。その問題にも反応して、私にも問題を持ちかけ支援の過程を展開していこうとしている真っ最中です。スタッフが元気に働けることが「サービスの質の向上」につながると思っています。まだ途中読みですが、結局、経営は人づくりが鍵になる。スタッフの質の向上が組織の成長の鍵であると。それができるかどうかは責任者(私)がスタッフの仕事に責任と信頼をもつことが必要だ、と書かれています。
「よつば」の四つの葉は、「地域」「利用者」「スタッフ」「幸せ」を表現しています。この四つの葉を結べるよう、日々勉強と努力と実践!です。