訪問看護ステーションよつば

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今日は神経難病の利用者様のお宅で「災害時知っておいてほしいこと地域のみなさんと考えましょう」」というテーマで、お話をさせていただきました。対象の方々はその地域の役所の方や民生委員さんなどですが、ヘルパーさんや看護師、ケアマネさんなど多くの方に日曜日にもかかわらずご参加いただきました。
その利用者さんは人工呼吸器や吸引機、意思伝達のための機材、介護ベッドなど生活のほとんどを医療・介護機器が支えています。なので停電時の対応に焦点をあててお話をしました。なんのためにどんな機械を使っていて、停電したらどうしたら良いのかを具体的に話しましたが、災害時はいろいろな場面で人手が必要になります。この利用者さんはご夫婦二人暮らしなので、災害時に配偶者だけで対応するなんてことは絶対にできません。数日でライフラインが復旧するとして、その数日間を乗り切るには身近な地域の方々の力が必要です。今回電力がない想定で、人工呼吸器の代わりにバックバルブマスク(アンビュー)という手で押して空気を送り込む道具も使用して実際にみていただきました。人命にかかわる場面では、AEDと同じで誰でも躊躇せずに使用していただきたいものですが、おっかなびっくり的な感じで触れないことは当然考えられます。今回の講義の時間ではそれらを使えることが目的ではなく、身近なところにこうやって医療機器を必要として生活されている方がみえて、災害時はこんなに大変な状況になっているらしい、家族一人では絶対対応が難しいよねということが地域の方々に伝わるといいなと思いお話をしました。呼吸器など医療依存の高い方は、避難場所に行くことは考えられません。自宅に留まるしかありません。水や食料の配給があったとしても、家族もその場を離れられないのです。直接的にその方に何かができなくても、間接的な支援として食料お水を運んだり、ずっと介護にあたらなければならない家族の休息の食事する時間を作ってくれたりなどでも良いのです。
災害時、誰でもそうですがまずは自分自身の安全の確保が必要です。一番大切なのは自分の命です。そして家族の命。言い方が冷たいかもしれないですが、私たち看護師もまずは自分のこと、家族のことが最優先です。南海トラフを想定するとすぐには利用者さんのところには行けないと思っています。ライフラインが復旧するまでの数日は身近な人同士で力を集めることが必要です。
今日は講師としてお話をさせていただきましたが、市議会議員さんや役所の方、ALS協会の役員さんもみえてそれぞれの立場での疑問や意見を聞くことができました。私にとってもたくさんの気づきを得られましたし、課題を見出すこともできました。また、地域の方に向けてお話をすることは初めてだったので、準備の段階(資料作り)から伝わりやすい言葉選びなど、今までに経験したことがないことをさせていただきました。こういう機会が今回だけで終わることなく継続的になることで、災害時への備えとなっていけると良いと思っています。